本棚を整理していると、読んだ覚えのない本をたくさん見つけた。前記事ではその中から「絞首台からのレポート」ユリウス・フチーク著を取り上げたが、本書もその中の一つである。見つけた場所からして、同じく20年ぐらい前に読んだのだろう。本書は100ページ超と薄く、手紙であるため手軽に読める。
そのためか自宅でありながら、つい立ち読みしてしまう。アル中ハイマーには、立ち読みの方が緊張感があって気分が出るようだ。ついでに、カウンタがあって美しいお姉さんから凝視でもされたらもっと集中できるのだが。
ローザ・ルクセンブルクは、マルクス主義の政治革命家で、本書は、投獄中、リープクネヒトの妻となった友人宛てに書いた手紙集である。
そう言えば学生時代、マルクス主義やら独裁者の思想などの本ばかり読んでいた時期があった。あまりにも暇だったのだろう。ただ、この頃読んだ本の内容はほとんど覚えていない。当時は、アル中ハイマーには政治思想など理解できないと諦めたものである。
しかし、本書は政治色を微塵も感じさせない。ローザは、政治犯として投獄され、いずれ虐殺される運命にある。そうした暗い人生を加味して読んでも、獄中で書かれたものとは信じられないほどの穏やかさがある。自然の風景が語られ、詩の朗読があり、思い出が語られ、時折、囚われの身の心境を覗かせる。読書しているというよりは、風景画を鑑賞しているかのようだ。人間は自分の運命を悟ると、その瞬間を大切にするだろうか。風景を描写する表現力に文学的な価値がありそうなのは、おいらのようなド素人にでもなんとなく伝わる。
ただ、アル中ハイマーにはこの作品の論評ができない。到底およびもしない高度な文学的領域であるように思えるからだ。当時は難し過ぎて記憶できなかったのかもしれない。そもそも本当に読んだのかも疑わしい。今、スコッチを味わいながら当時を思い出そうとしている。そして、だんだんいい感じになってきた。あー気持ちええ!えーっと!今、何してたんだっけ?そうだF1を観るんだった。
2007-07-08
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