津波の映像に目を疑った。北関東方面の知人には連絡がついてとりあえず安堵している。
それにしても、東北地方の方々の落ち着き振りには頭が下がる。彼らは笑顔さえ見せてくれる。目の奥に見せる涙が痛々しい。ちょっとしたことで狼狽えるおいらには、けして真似できるものではない。むしろ、こちらが勇気づけられるとは...何か忘れかけているものを思い出させてくれるような気がする。
その一方で、首都圏では買占めに走るなどの状況があると友人が嘆いていた。九州ですら若干の買い占め行為が見られた。せめて被災地への物資の流れを邪魔しないようにしたい。
1. 募金と献血
この大震災は、九州にも多少なりと影響を及ぼしている。取引先の多くが関東方面ということで休業状態の企業もあれば、逆に生産をフル稼働させる企業もある。また、地元の給水車や医療チームが派遣されたり、オムツや毛布などの物資が役所に続々と集まっている。佐賀県にいたっては、被災者の受け入れを3万人規模で準備すると発表した。
さて、無力な人間ができることといえば、とりあえず義援金と献血ぐらいであろうか。気分的に自粛気味だが、あまり自粛し過ぎても復興機運の妨げになる。被災地以外で不安を拡散させることは避けたい。
ただ、街の混雑の中で、10メートルおきに募金箱を持った子供が大声で叫べば、すべての箱にお金を入れないと白い目で見られる。支援活動は子供の教育のためにも良いのだが、気の弱そうなお年寄りがボッタクられていた。募金活動の混乱は募金詐欺の出現を手助けすることにもなる。ある程度の統制は必要だろう。やはり役所に持っていくのが確実であろうか。被災者のためというより自分の不安を解消するための行為は、善意の強制という空気を漂わせる。
また、血液不足が報じられると、献血ルームに長蛇の列ができる。血液の保存期間はせいぜい4,5日であろうに。どれだけの血液が廃棄されるかが心配だ。
(全血の保存期間は21日間、血小板の保存期間は4日間。 - 4/7追加、コメント参照)
しかも、再度献血できるまでに、3、4か月待たなければならない。それでも、現場ではせっかく善意で訪れた人に、ちょっと待ってくれとも言いにくい。瞬間的な確保よりも、継続的な確保の方がはるかに重要であろう。報道はそこをもっと強調してもいいのではないか。
尚、BC9のサイトでは血液のストック状況が公開されている。だが、東北方面ではサイトの更新もままならないだろうから、不足と見るべきなのだろうか?善意で人が集まり過ぎても、逆に混乱を招くだろうし。んー...献血マニアはちょっと我慢して、今は普段献血をしない方々にお任せしよう。
ちなみに、看護婦さんによると、普段B型は献血する人が多く、不足するのは珍しいそうな。変わり者が多いからですかねぇ~などとよく言われる。失敬な!そういえば、大学時代の友人は8割がB型だ。類は友を呼ぶというわけか。いや、同じ穴のムジナだ。
2. 原発報道と自衛隊頼み
いくら遠くから見守っているとはいえ、原発の問題などもあって落ち着かない。何もできないことがそれに輪をかける。これだけ広範に被害が及んだのだから、悲惨な避難所に地元の国会議員や元気のいい一年生議員を派遣して、連絡を密にするなどできないものかと素人なりに思ったりもする。特に原発から30km範囲が政府や専門家の言うように安全ならば、彼らが行くだけでも安心感を与えるだろう。報道されないだけで実際には行動しているのかもしれないけど。いや、かえって邪魔なのか?
また、これだけ報道陣が殺到して、邪魔をしているケースはないのだろうか?マスコミはいつも現場を批判しながら正義感振るが、自分自身に対する批判は絶対に報じない。マスコミを批判できるメディアはネットにしかないのか?緊急会見では、大量の資料を配布しているようだが、記者の数を制限してもいいのではないか?などと思ったりもする。どうせ、どこの放送局も似たような報道しかしないのだから、放送を自粛するだけでも電力がだいぶ助かるだろうに。太平洋戦争時代、民衆は大本営発表に騙されたが、現在は大本営の乱立がいっそう深刻にさせる。
更に、危機的混乱がシステム障害を誘発したり、記者クラブの体質が明るみになったりなど、官僚的な組織やマニュアル人間が次々に暴かれていくようにも映る。
報道番組では、専門家の楽観主義とド素人のコメンテータが煽る不安とのギャップが埋められない。感情論ばかり先行し、ついに専門家からも「祈っています!」と発言する始末。情報を伝えたいという必死な気持ちも分からなくはないが。どんな分野でも専門家というものは、専門用語を熟知していても、専門的意義を意外と理解していなかったりする。そんなことは、自分の専門を自問してみれば分かる。
その点、某元国営放送を誉めるわけではないが、専門の解説員を置いて専門家との連携が見られる。緊急時の情報統制には、少数精鋭が効力を発揮するだろう。それで、どこまで情報が開示されるかは別の問題だけど...
どんなに政治家や専門家が語ったところで、結局!輸送から原発まで自衛隊頼みという現実を思い知らされる。放水にどれだけの効果があったかは疑問だが、少なくとも光を与えてくれた。
それにしても、発電所が安全対策のための外部電源を失うとは。あらゆる安全設計で最も神経質になることは、システムの自己矛盾に陥ることである。まさに、その事例が安全基準の最高レベルであるはず!のところで展開されている。
3. 流通業者と贅沢認識
普段あらゆる産業のコストダウンで、末端の流通業者が喘いでいる。しかし、その彼らが命をつないでくれる。宅配業者に、いつもおつりが発生しないようにピッタリ金額を用意していると、顔見知りになってちょっと愚痴を漏らしてくれる。代金引換などで万札を平気で出されて、おつりがないと客に怒鳴られることも少なくないという。おつりが足らない時は自腹を切るそうな。末端の配達員が負担するのも疑問だ。最近はコンビニ決済で代金引換を利用することもなくなったけど...そんなことを思い浮かべる。
この震災は、あらゆる贅沢に慣れきった体質を見直すのに良い機会を与えてくれる。それで湯水のようにエネルギーを消費する体質を改め、真の意味でエコ意識が高まるだろうか?政府も皮相的な政策から脱却できるだろうか?九州でも節電の気運が拡がりつつあり、夜の街も幾分暗めである。ただ、日本人の傾向は、周辺の雰囲気に反応しやい分、すぐに冷めるところがある。アル中ハイマー病ともなれば、記憶を留めることも難しい。
そんな認識のために...それにしても犠牲が大き過ぎた。いや、全貌が見えてくるのはこれからか...
2 コメント:
ルース駐日大使と米太平洋軍司令官ウィラード大将らが、宮城県石巻市の避難所へ慰問に訪れたと報じられた(3/23)。
しかも、それぞれ夫妻で訪れるという気遣いようだ。現地にとってこれほど心強いものはないだろう。海外で風評となっている原発の影響にも配慮しているのかもしれない。アメリカの政治力に感謝したい。
対して、我が国の政治家たちは何をやっているのか?もう十日以上が経過したというのに。いくら周りからガンバレ!と励ましたところで、そろそろ限界であろう。
報道を見る限り、地方自治体はそこそこ機能しているようだ。しかし、肝心の国としての動きが見えてこない。災害関係の人事や体面的な発表ばかりが目につく。大規模な震災であることは間違いないが、「未曾有」という言葉を言い訳にしていないか?
おまけに、普段あれだけ目立ちたがり屋の政治家連中が静まり返っている。主要閣僚が原発の対応に忙しいというなら、衆議院と参議院で800人ぐらいいるはずだが...単に報道されていないだけなのか?
* 全血の保存期間は21日間、血小板の保存期間は4日間。
猛省!よく調べずに、(4,5日と)うろ覚えで書いてしまった。
4/7、献血に行って看護婦さんに指摘された。
震災後の2,3日は大勢集まって、受付を午前中でストップしたりして、分散と継続を呼びかけたそうな。阪神震災の時と同じように。
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