老人に運転免許の自主返納を促すのは難しい。ちょっとボケが入ってくるとヤバい。うちの婆(ばぁ)やは八十近いが、しっかりアクセルを踏んでスピードに乗れるし、まだまだ乗る気十分って感じ。活動的なクソババアなだけに厄介だ!
そして、どう切り出そうかと思案していたところ、向こうから... そろそろやめようかなぁ... と言ってくれた。ちょうど書き換え時期を迎え、最初から更新するつもりはなかったようである。ただ条件に、おいらも一緒にバイクをやめろ!というのだ。まあ、こちらはいつでも復活できるし、しばらくバイク屋に預けることに...
さて、次の車は...
婆ちゃんカーは小ぢんまりとしたアクア。これをおいらの車と集約する。MR2(SW20)を18年間乗り、涙ながら手放したのが二年前。いまだスポーツカー熱はおさまりそうにない。実はロードスターが欲しいのだが、介護や障碍者用となると、そうもいかない。ミニバンやワゴンあたりが適しているが、間をとってセダンが落とし所か。てなわけで、クラウン Hybrid アスリートS に...
かつて、「いつかはクラウン」なんてキャッチコピーもあったが、レクサスブランドのおかげで庶民カーに近づいた感がある。とはいえ、おいらにとって贅沢品であることに変わりはない。王冠のエンブレムが仰々しく、成金時代の臭いも残っていそうで、なによりも爺さんカーのイメージが強い。半世紀も生きてきた野郎が今更なにを、いつも仕事仲間から年寄り扱いされているではないか。アスリートの顔ヅラなら悪くない。そして、納車までのウキウキ感は、いくつになっても同じ...
1. 安全装備は有り難いやら、有り難迷惑やら...
納車時の説明は、1時間以上もかかった。それだけ機能が多いってことか。それだけ故障リスクが高いってことか。
まず、「Toyota Safety Sence P(衝突回避支援パッケージ)」とやらの留意事項にサインを求められる。いくら安全システムを装備しているとはいえ、過信するな!ってか。事故は、やはり自己責任ってか。そりゃ、その通りだが、自動車業界で競って安全性を誇張するのもいかがなものか...
このパッケージは標準で、衝突回避支援、車線逸脱の回避支援、オートマチックハイビーム、レーダークルーズコントロールが装備される。
車線逸脱の回避支援は、50km/h 以上でウィンカーを出さずに車線変更すると警告音が鳴り、ステアリング操作をサポートしてくれる機能。おかげで、路肩に停車中の車を避けるのにちょっと車線をまたぐだけでブザーが鳴ってうるさいし、微妙にステアリングの跳ね返りを感じる。ちゃんとウィンカーを出すか、減速しろってか。
レーダークルーズコントロールは、前の車の速度に追従するシステムだが、渋滞が現れても、きちんとブレーキ制御が働くらしい。怖くて試す気にはなれないけど。
さらに、オプションで、インテリジェンスクリアランスソナーってやつを勧められた。障害物の接近を検知して警告音を鳴らしたり、衝突を緩和したりする機能である。狭い路地などでは非常にありがたいのだが、駐車場ではピーピーうるさい。バックの時はバックモニタでも確認できるが、警告音が鳴ればやはり気持ち悪い。
こうした安全システムは、有り難い面もあれば、有り難迷惑な面もある。もし故障したら... 機能が働かなくなるだけならいいが、誤動作でもされたら却って怖い!慣らされると、危険感知能力も麻痺しそう。技術の進化とは、人間が進化した結果として人間自身を退化させようとしているのか?もう他の車には乗れそうにない。
ただ、運転が上品になったような気がする。急発進や急ハンドルは愚の骨頂と言わんばかりに。なるほど、これがメーカの戦略であったか...
2. スマートキーに遊ばれる!
いきなり駐車場でエンジンを切り忘れる。ハイブリッドはエンジン音がしないから尚更。スマートキーを持って車から離れても、エンジンをかけたままだったら持っていかれる可能性がある。なんと無防備な!そして、一度エンジンを切れば、スマートキーが近くにないと再始動できない。この状態で車道でエンストでもしたら... イレギュラーな行動を想像すると切りがない。
ドアロックは、ドアハンドルの隅っこにあるロックセンサーに触れるだけで施錠できる。センサーは四つのドアについていて、これはなかなか便利!しかし、年寄りが、施錠を確認するためにドアハンドルに触れると、解錠されて大騒ぎ!いくら仕組みを説明しても無駄だ。はたから見ると施錠したようには見えないらしく、心配性なだけに厄介。したがって、運転手は施錠したら、すぐにスマートキーを持って車から退避せよ!
では、施錠したかどうかを確認するにはどうすればいいのか?ロックセンサーに触れて、ドアミラーが閉じるまで、二、三秒間は施錠されていることが確認できる。これに気づくまで、スマートキーの入った鞄を数メートル離して確認したり。スマートキーだけで、こんなに遊べるとは。いや、遊ばれるとは...
ちなみに、洗車時は、スマートキーを車から 2m 以上離すか、節電モードにして下さい!といった注意書きもある。ロック機能が誤動作する可能性があるんだってさ...
3. 標準ナビに異物感!
クラウンを二年前から検討してきたが、最も悩ましいのが標準ナビであった。販売店オプションナビのラインナップとは別に、標準ナビにだけ異物感がある。一年以上前のモデルには、G-BOOK なんて余計なものが装備された上に、おいらにとって必須の SD カードオーディオが装備されていなかった。CD などの音楽は、狭い車内でハードディスクに録音するような仕様になっている。いや、CD を持ち歩け!ってか。なので、もし買うなら販売店オプションナビを選択したいと思っていたが、下取りを考えると標準ナビの方が有利らしい。
そして今回、G-BOOK は廃止され(代わりに T-Connect なんてものになったが)、SDカードオーディオも装備された。必要な機能はほぼ装備され、これなら標準ナビで OK!
... と思っていたら、今度は音楽の操作性に異物感が。表示はグラフィカルで高級感を演出しているものの、微妙に苛立つ。
例えば...
SD カードにはアルバムをジャンル毎にフォルダを階層化して保存し、他の電子機器にすぐに持ち込めるよう構えている。しかし、この標準ナビときたら、すべてのアルバムが並列に表示され、アルバムが100個以上あるため収拾がつかない。おまけに、アルバムの一覧を見ようとしてカーソルをアップダウンさせるだけで、カーソルの位置が合ったアルバムに、その都度切り替わって再生される。
ちなみに、アクアの販売店オプションナビ(NSCP-W62)では、階層表示してくれたし、一覧を見るのに勝手に切り替わることはなかった。表示の仕方はショボいけど、操作性で苛立つことはなかった。
音楽データにはジャンル情報などの属性も保存しているので、せめてジャンル別に表示できればいいのだが、標準ナビの説明書には「本機で SD メモリカードに録音した音楽再生時のみ」という箇所に、「ジャンル別」の表示がある。つまり、外部で録音した SD カードでは、ジャンル別表示ができないと書いてあるのだ。クラウンで録音しなおせってか?そもそも、SD カードを「本機で...」と「外部で...」とで区別する仕様が理解不能。おそらく販売店オプションナビを選択すれば、こんな孤立感はないだろう。結局、USB経由のスマホで操作すればスッキリ!
ちなみに、T-Connect には、Apps とかいうやつがあって、スマホのようにアプリをダウンロードしてナビをカスタマイズすることもできるが、ショボい。
さらに、Apple の CarPlay や Google の Android Auto にも対応していないし、中途半端感は否めない。電子機器と連携すれば、通話や音楽などを一元管理できるし、マップも随時更新され、常に最新状態が保てるのだが、対応車種を検索しても出てこない。というより、日本車メーカーは全般的に対応が遅れている模様。特にトヨタはヤル気がないようで、他のメーカーが対応予定とあるのに、なーんも出てこない。もともと日本車のナビシステムが先行していたという経緯もあるが、つまらん意地を張っていないことを祈る。
但し、たった一つのつまらん苛立ち感のために、他の些細な点まで愚痴に昇格することはよくある...
そもそも...
自動車にナビは必要なのだろうか?前々から自動車を WiFi ステーションにと考えてきたが、スマホでテザリングする方が現実的だし、実際そうしている。となると、自動車は電子機器の充電ステーションか。いよいよ、USB や Bluetooth などの外部接続だけあればいいんじゃないの!と思う今日このごろであった...
4.AT vs. CVT
この手の車のトランスミッションは、AT のイメージが強いが、クラウン・アスリートのラインナップではハイブリット車だけが CVT である。厳密には、ECVT(電気式無断変速機) + 6速シーケンシャルシフト。当初、CVT だけだと思って侮っていたが、マニュアル感覚で6速のシフトチェンジができ、思ったよりもパワー感がある。ただ、前がシフトダウン、後ろがシフトアップだと思っていたら、やってみると逆だった。市販車では、これが一般的だとか。へぇー!これならパドルシフトが欲しいところだが、3.5L ガソリン車とターボ車に装備されるようだ。
ところで、オートマチックには、いまだに抵抗感がある。人間工学的に疑問を感じてきたのだ。ブレーキは本能的に減速のためのものであって、ブレーキを緩めると動力が伝わるという感覚が、どうも馴染めない。半クラッチなんて用語は、ほとんど死語であろうか。
オートマチック限定免許を持っている人の中には、平気で左足ブレーキをやる習慣のある人もいると聞く。確かに、坂道発進などでは有効だ。しかし、パニックに陥って両方踏んだりすると、右利きの人が多いから、アクセルが勝ることもあろう。クラッチが装備されていれば、左足はクラッチ側に固定されるので、とりあえず動力を切断することはできるだろうに。この際、クラッチミートで失敗してエンストが恥ずかしい、なんてことは些細なことだ。
やはり、ブレーキは減速... アクセルは加速... といったマニュアル的な概念の方が安心できそうな気がする。ネアンデルタール人の愚痴だけど...
尚、アクアは、ブレーキを強く踏み込むと、ランプが点灯して坂道発進モードに切り替わり、クラウンは、そんなモードを意識させず、心持ち強めに踏むだけで後ろに下がらない。
ちなみに、カートをやるので左足ブレーキに違和感はないはずだが、公道となると、ちと怖い。ヒール・アンド・トウの方が馴染んでたりして...
2016-11-20
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