2017-01-29

十周年企画... 名言集(社会、政治、経済編)

引き続きブログ開設十周年企画、すなわち、手抜き記事「社会、政治、経済編」を。新年早々、コピペ時代を謳歌する...

正義!理性!... こんな言葉を耳にすると、なにやらこそばゆい。それは、酔いどれ天邪鬼の精神が歪んでいる証であろう。世間とは恐ろしいものだ。全員が間違っている時は、全員が正しいことになるのだから。「世論はつねに私刑である。私刑はつねに娯楽である。」とは、芥川龍之介の言葉である。
一方、政治家たちは、こうした言葉がお好きなようである。言い訳には、真摯に受け止める!と決まり文句。謙遜というものが悪徳を知ってからでなければ身につかないとすれば、彼らの弁明が法律に縋り、法律のストレステストを繰り返すのも道理である。彼らの雇う優秀なコンサルタントは、正義や理性までも道具にする。政治の対立とは、まさに正しさを競うゲーム。正しさを争うことが正しいとするなら、既に循環論に陥っている。今、ラジオから中島みゆきの歌が聴こえてくる...
♪♪♪... 正しさと正しさとが相容れないのは、いったい何故なんだぁ~ Nobody is Right... Nobody is Right... ♪♪♪

人間には縄張り意識という性癖がある。かつて学問は総合的な知識の世界とされ、科学は自然哲学と呼ばれ、自然との調和から人間というものを問うた。その流れは、いつの間にか自然物に対して人工物で区別され、人間社会だけの合理性を問うようになった。人口が爆発的に増殖すれば、最も依存している自然との関わり方が見えなくなるのか。もちろん個人であらゆる学問を究めることは不可能だし、何か一つの専門を選択せざるをえない。しかしながら、他の分野についてなんらかの理解がなければ、自分の専門にも暗くなる。真理を探求する場に、理系も、文系も、はたまた体育会系もあるまい。夜の社交場では間違いなく、セクシー系も、癒し系も、はたまたハッスル系も必須だ!

1. 社会

「自我は自分自身の家の主人などではけっしてありえないし、自分の心情生活のなかで無意識に起こっていることについても、依然としてごく乏しい情報しか与えられていない。」... ジークムント・フロイト

「人々について知りたければ、身のまわりを見まわすがよい。だが人間を知ろうとするなら、遠くを見ることを学ばなければならない。共通の本性を発見するためには、まず差異を観察する必要がある。」
「人間が未知の土地に敢然と立ち向かったこの戦場に、次第に無秩序のうちに一つの単調な植物相が再生したが、その無秩序は、偽りの無垢の表情の下に戦いの記憶と経過を保っているだけに、なおのこと人を欺くのである。」
... クロード・レヴィ=ストロース

「病気こそは、人間の条件のうちの最たるものといえるだろう。なぜならば、動物でも疾病にはかかるけれど、病気におちいるのは人間だけなのだから。」... オリバー・サックス

「魂の病を治すことができるためには、哲学者でなければならない。実際、この病の起源は、病人が善と見做す、一つの事柄への激しい欲望にほかならないのだから、医師のなすべき義務は病人に、彼が熱望している事柄は表面的には善であっても実際には悪であるのを、明確な理由によって証拠だててやり、自分の誤りを悟るようにすることである。」... ミシェル・フーコー

「自分自身否認を必要としている医師は、否認を患者に見いだす。対決をためらわない医師は、彼らの患者もまた対決をためらわないことを見いだす。否認の必要度は、医師自身の否認の必要度と正比例する。だがこれはまだ問題の半面でしかない。」... エリザベス・キューブラー=ロス

「私は『見る』ために手術を受けたわけではないのです。『見る』とはどういうことかを知るために、手術を受けたのです。」... ロバート・カーソン著「46年目の光」より

「注意を払おうとしない読者にわからせる方法を、わたしは知らない。」
「精神的な事がらにおいては、可能性の限界は、わらわれが考えるほど狭いものではない。限界を狭くしているものは、われわれの弱さ、悪徳、偏見である。」
「ある土地に囲いをして、これはおれのものだ!と宣言することを思いつき、それをそのまま信ずるほどおめでたい人々を見つけた最初の者が、政治社会(国家)の真の創立者であった。」
「わずかなことしか知らない人は多くのことを語り、多くのことを知っている人はわずかなことしか語らない。無知な人間は自分が知っていることをなんでも重要なことだと思い、だれにでもそれを話す。」
「書物の悪用は学問を殺す。人々は、読んだことは知っているのだと思い、自分はそれを学ぶ必要はないと思い込んでいる。あまりたくさん読むことは、なまいきな無学者をつくるのに役立つにすぎない。」
... ジャン=ジャック・ルソー

「思想が人間をもっぱら論理的に強制する力が、歴史上いかに巨大な意義をもったにしても、マルクス主義はその顕著な一例であるが、人間の頭脳にある経験的、歴史的事象は、通例、心理的に制約されたものと理解されるべきであって、論理的に制約されたものと理解されてはならない。」... マックス・ヴェーバー

「資源が枯渇して富が満足に全体に行きわたらなくなると、決まって弱者は強者に自由を捧げる。しばしば大衆は、富者から富を奪い、貧者に施すことを約束する煽動政治家たちに追随する。」
... Vernon Gill Carter & Tom Dale 著「土と文明」より

「ニュースのはたらきは、一つの事件の存在を合図することである。真実のはたらきは、そこに隠される諸事実に光をあて、相互に関連付け、人々がそれを拠り所にして行動できるような現実の世界を描き出すことである。これらが一体化した時、世論の力が発揮される。」... ウォルター・リップマン

「プロパガンダの秘訣とは、狙った人物を、本人がそれとはまったく気づかぬようにして、プロパガンダの理念にたっぷりと浸らせることである。いうまでもなく、プロパガンダには目的がある。しかし、この目的は、ぬけめなく、卓越した技量で、覆い隠されていなければならない。その目的が達成すべき相手が、それとまったく気づかないほどに。」... ヨーゼフ・ゲッベルス

「良い政府が存在するが良い新聞が存在しない世界よりも、良い新聞だけが存在して良い政府が存在しない世界のほうが良い。」... トーマス・ジェファーソン

「イデオロギーが統一されていても文化的に分裂している国は分裂する。イデオロギーが異なっても文化的に共通すれば統合される。文明の衝突こそが人類の根本的問題であり最も根深い。」... サミュエル・P・ハンティントン

「満足した豚よりも不満を抱えた人間の方がよく、満足した愚か者よりも不満を抱えたソクラテスの方がよい。」... ジョン・スチュアート・ミル

「極端に幸福な人間も、極端に不幸な人間も、同様に冷酷になりやすい。修道士と征服者とがその証拠である。優しさと憐れみとをもたらすのは、中庸および幸運と悪運との混合のみである。」... シャルル・ド・モンテスキュー

「有名になりたがる者の幸福は他人次第である。快楽を追求する者の幸福は自分ではどうしようもないその場の雰囲気によって変わる。しかし、賢き者の幸福は自分の自由な行動によって大きくなる。」... マルクス・アウレーリウス

2. 政治

「政治では、恐怖で始まることは、普通、愚行で終わる。」... サミュエル・テイラー・コールリッジ

「情報に精通した有権者がいなければ、政治家は底辺の10億人の国を写真撮影の機会に利用する。」... ポール・コリアー

「民主主義とは、人々の半分以上が二度に一度以上は正しいという点に、繰り返し気付くことである。」... E.B.ホワイト

「軍国主義とは、いたずらに軍隊の形式論を弄んだり、軍人の大言壮語や行き過ぎた軍人精神を市民生活に導入しようとすることしか考えていない。もとより真の軍人ならばそんなものは排斥する。軍人こそ戦争の恐ろしい結果を本当に知るものであって、だからこそ人間として戦争を否定するのであり、名誉心にかられての侵略や武力政策の思想は、およそ軍人とは縁遠いものなのである。」... ハインツ・グデーリアン

「戦争遂行者は戦略家以上の人物でなければならない。その人物は指導者と哲学者を結びつけたような人物でなければならない。戦略というものは、その主体が敵を欺騙する術と関係しているので、それ自体が道徳に対立するものであるのに対して、大戦略は道徳と両立する傾向を持っている。」... バジル・リデルハート

「原始人の最も危険な敵は自分の属している人種の敵であった。今日でも、人間が人間の唯一の敵である。そして人が人を攻撃するのは50万年前と全く同じである。戦争と狩猟は昔からアピールする。これは本能的に、どんな子供でも鉄砲が好きで、どんな大人でも殺害にスリルを感じるゆえんである。」... ジョン・フレデリック・チャールズ・フラー

「私有のないところに不正はありえない。」
「父親の権力は、未成年のために子供が自分の固有権を処理できない場合にのみ存在し、政治権力は、人々が自分自身で処分できる固有権を持つ場合に、そして、専制権力は、まったく固有権をもたない人々に対して存在する。」... ジョン・ロック

「世界は政治哲学をもつにはまだ若すぎる。」
「政治的企画室というのは、権力を握ると、これほど有害なものはないし、権力をもたなければ、これほど滑稽なものもない。」
... デイヴィッド・ヒューム

「君主にとって必要なのは、信義の資質を有することではなく、それを持っているように見えることである。」... ニッコロ・マキャヴェッリ

「日本では平和ボケという言葉が使われることが多くなっている。その言葉を借りるなら、負けると分かっている戦争で徹底抗戦するなどと予測する専門家たちこそが、まさに平和ボケしていたのである。」... 加藤健二郎

「友好的な国はある。しかし友好的な諜報機関はない。」
「普通の悪党でも人を殺すことはできる。しかし、殺しを自殺と見せかけるには諜報機関の才能を必要とする。」
... 落合信彦

「本当の情報操作とは嘘に基づくものではない。部分的事実を誇張して相手側に間違った評価を与えることである。」
「霞ヶ関と永田町は隣町だが、その距離は実はいちばん遠い。なぜなら、地球を反対側に一周しなくては行き着けないからである。」
... 佐藤優

「世界的な陰謀を研究する時に、あらゆる悪の根源は大掛かりなユダヤ人の陰謀であると決めつけるヒトラー主義を鵜呑みにしてはならない。こうした企みを抱くグループは国際銀行家であって、特定の人種や宗教ではなく金と権力への渇望であることを心に留めておくことが肝要である。」... W・クレオン・スクーセン

3. 経済

「おお、売りに出された都市よ、この都市は、買い手が見つかれば、たちまち消えてなくなるだろう。」... サルスティウス「ユグルタ戦記」より

「銀行家とは、資金を必要としない人たちに貸したがる連中のことを言う。」... 経済学の格言より

「A から略奪を行い B に支払いをする政府は、いつでも B の支持を期待できる。」... ジョージ・バーナード・ショー

「穀倉が作物でいっぱいなときでも、飢饉が起こりうる。」... アマルティア・セン

「地球はすべての人間の必要を満たすのに十分なものを提供するが、すべての人間の貪欲を満たすほどのものは提供しない。」... マハトマ・ガンジー

「ムダを経済効果といい替えるのは、諸官庁や特殊法人の間では常識です。ムダな支出が五兆円と聞けば、誰もが腹を立てますが、経済効果が五兆円ならば、国民の賛同が得られます。」... パオロ・マッツァリーノ

「ケインジアンのご信託はしごく明白である。御用心!道徳的な配慮は全然無関係であるだけでなく、実際には障害である。不公正は有益であっても、公正は有益ではないのだから、公正の時代はまだきていない。天国への道は悪しき意図によって舗装されている。」... エルンスト・フリードリッヒ・シューマッハー

「国王や閣僚が民間人の家計を監視し、贅沢禁止法や贅沢品輸入の禁止によって民間人の支出を抑制しようとするのは、まったく不適切だし厚顔無恥である。国王と閣僚は常に例外なく、社会のなかで最大の浪費家である。」... アダム・スミス

「貨幣流通は恐慌なしにもおこなわれうるが、恐慌は貨幣流通なしにはおこりえない。」... カール・マルクス

「グレアムを知らずに投資するのは、マルクスを知らない共産主義者のようなもので、マーケットの原理を知らないのと同じことだ。」
「年金物語の大半は、労働組合の力がゆっくりと増大する物語である。」
「保険にばかげた値段を支払おうという客がいるのに、売らない理由がどこにある。」
... ロジャー・ローウェンスタイン

「相場とは持続不可能な楽観主義と根拠のない悲観主義との間を永遠に行ったり来たりする振り子である。賢明な投資家とは、楽観主義者に売り、悲観主義者から買う現実主義者である。」... ベンジャミン・グレアム

「人間のあらゆる不幸の原因は、ただひとつ、部屋でじっとしているすべを知らないことである。」... ブレーズ・パスカル

「冷笑家(シニック)とはどんな人間か。それは、あらゆるものの価格を知っていて、何ひとつ価値を知らぬ人間のことである。」... オスカー・ワイルド

「金融生態系では、進化力は、もっとも適応したものでなく、もっとも太ったものを生存させる。」... アンドリュー・ホールデン & ロバート・メイ

「残念ながら、日本には、やれ『ケインズは死んだ』だの、『古典派は古い』だのと聞く耳を持たない輩が多い。実際、どちらの処方箋も日本では上手く作動しないが、その原因は『理論』にある訳ではない。両派が研究の対象としている資本主義と、その精神がないからである。」... 小室直樹

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