2019-09-01

"情報戦と女性スパイ インテリジェンス秘史" 上田篤盛 著

「今は石油だが、10~15年もたたぬうちに、食糧やプルトニウムが不足するかも。その時、人々は我々に何を望むと?人々に問うのか?暖房がつかず、車も動かない。食糧不足で飢えに苦しんでいる。そんなとき人々はこう思う。黙って確保してくれ!」
... 映画「コンドル」より

本書は、第一次世界大戦から冷戦時代に渡る重大スパイ事件と、それに関わった女性たちの活躍を物語る。タイトルが示すとおり、女性スパイという切り口からインテリジェンスを語ってはいるが、歴史上の重要人物の行動指針や、その背景なども網羅される。
また、スパイ人名録、各国の諜報機関集、スパイ用語集、スパイ教訓集、情報戦史年表も付録され、スパイ事典という性格を帯びている。なるほど、情報戦という観点から歴史を眺めてみるのも、なかなかの酒肴(趣向)。実に多くの女性が影で世界を動かしてきたことを見て取れる。
ただ、どんな戦略や戦術を用いるにせよ、相手の特徴を厳密に分析した上で対処することに変わりはなく、ましてや男も女もあるまい。スパイ業界には、第一級のフェミニズムが根付いているようである...

「インテリジェンス」という用語は、個人的には人間の思考プロセスと深く結びつく印象があるが、実際は、政治と結びついて広まってきた経緯がある。もっといえば、政治の裏舞台、すなわち諜報、防諜、秘密工作などと結びついて。興味を引くには、やはりスリルとサスペンスが欲しい。そして、おいらの天の邪鬼な性癖が懐疑心を旺盛にさせていく。歴史とは、氷山の一角を記述したにすぎないのではないか... と。
知らぬが仏... ということが、この世には実に多い。とはいえ臆病ゆえに知りたいという欲求を抑えられない。面倒くさがり屋にとって新聞やテレビのニュースでお茶を濁すことが、いかに幸せか...
「スパイ」という用語は、忌み嫌われがちだ。こっそり覗き見するなどは、卑劣というわけである。似たような用語に「ハッキング」という語があり、不正侵入といった悪いイメージがつきまとう。
しかしながら、"lifehack" という用語を広義に捉えると、人生を自分の力でハッキングする... といった意味になり、組織に癒着した人生を自分の手に取り戻そうという意識も働く。コンピュータ工学の指南書では、なになに hack という題目をよく見かけ、ツールを徹底的に使いこなす... 技術を自分のものにする... といった意味が込められる。そして、スパイという用語をインテリジェンスを通して眺めていると、hack という意味が重なって見えてくる...

人間は臆病である。それを自覚できれるから事前に備えようとする。自覚できなければ備えようとはしないだろう。自覚できなければ学ぼうとはしないだろう。孫子の奥義には、その教訓が刻まれている。戦わずして勝つ!
事に備えるには、まず知ること。知るには、まず観ること。科学は現象を的確に観察するところから始まり、ここに人間の思考原理の源泉がある。インテリジェンスの世界でも、情報が基礎となる。情報がなければ、感情的推測の域を出ない。そして、的確な分析が要となる。
しかしながら、的確に... というのがなかなか手強い。分かりやすさを求めすぎると、言葉の裏が読めなくなる。分かりやすさに流される傾向は、アピールしたものの勝ちという風潮につながる。演説の達人が勝つ!それは、ヒトラーが証明して見せた。所詮、言ったもん勝ち!皮相的な言葉ばかりを追いかければ、自分で思考することを怠る。いや、自分で思考できなくなる。その方が楽やもしれんが...

それにしても、女は怖い!
男は自分より賢い女を敬遠しがち。特に、結婚相手では。どうやら自己防衛本能が働くらしい。ヴィクトル・ユーゴーはうまいことを言った、「女を美しくするのは神であり、女を魅惑的にするのは悪魔である。」と。
スパイ戦というと、男の世界というイメージが先行しがちだが、女でなければやれないこと、女の方が有利なことが実に多い。男性優位社会ともなると、却って女性の活躍の場が広がるとは、なんとも皮肉である。暗殺では女性の方が要人に近づきやすい... 独身者よりも夫婦の方が地域社会に溶け込みやすく潜伏しやすい... 妊婦は怪しまれにくい... 等々。
忍耐強さでも、一枚も二枚も上手か!
ゲシュタポの厳しい拷問で口を割る男性スパイが続出する中、最後まで秘密を守り、殉職した女性スパイが大勢いた。彼女らをスパイ活動に駆り立てるものとは何か。スリルを求めてのことか。男どもを魅了する快感か。政治的な使命感か。スパイ活動そのものが麻薬のようなものか。
素人女性が知らず知らずのうちに工作員に仕立てられるかと思えば、マイスター級の女性工作員がイケメンにコロッとひっかかる。そして、病死?事故死?自殺?
リヒャルト・ゾルゲは、「女性はスパイ活動に絶対に向かない!」と言い放ったそうな。だがこの発言は、官憲の調査の手が愛人に及ばないよう配慮したものと見る者も多い。敵を知り己を知れば百戦危うからず... との格言には、ある種の精神安定剤的な効用がある。知ることによって無用な恐怖心を排除するという。
しかしながら、男にとって女は永遠の謎。その証拠に、単純な甘い罠に引っかかり続ける。最高機密事項をピロートークで語り合う夜のクラブ活動では、いつもハニートラップの餌食よ...

1. 二番目に古い職業
「スパイは二番目に古い職業」と言われるそうな。一番目は言うまでもあるまい。それは、紀元前13世紀、旧約聖書の「ラハブの物語」に由来するそうな。モーゼによってカナン攻城を命じられたヨシュアは、イスラエル軍を率いてジェリコの城下に迫り、二人のスパイを先遣する。ジェリコにはラハブという娼婦がおったそうな。ラハブは二人を匿って、官憲からの逃亡を手助けしたとさ。だから一番目は、最初のスパイを助けた娼婦ということになる...

2. チャーチルの策略家ぶり
チャーチルは、チェンバレンと違って秘密工作、欺瞞工作、コマンド襲撃、ゲリラ作戦といった水面下の活動を好んだという。その策略家ぶりは、あの有名な二つの欺瞞作戦に見て取れる。
まずは、ミンスミート作戦...
正体不明の死体をイギリス軍将校に偽装して機密書類を携行させ、運搬途中で航空事故に遭遇したように見せかけ、偽情報を掴ませた。上陸地点のシチリア島からドイツ軍の目を逸し、バルカン半島に向けさせたのである。
そして、ダブルクロス作戦...
ドイツ軍のスパイを二重スパイとして活用し、偽情報を流して連合国の計画を誤認させようと仕組む。この作戦を仕切ったのは、MI5 が組織した「二十委員会」。二十はローマ数字で "XX"、すなわちダブルクロス。
暗号機エニグマ解読プロジェクト「ウルトラ」は、アラン・チューリングが活躍したことでも有名である。しかし、いくら正確に解読しても、その情報を素直に活用すれば、解読された可能性を敵に知らせるようなもの。そう思わせないために、たまにはやられなければならない。切り札ってやつは、出すタイミングが難しいのである。そこでイギリス軍は、決定的な被害を受けない程度に作戦上のミスを意図的にやる。
例えば、1942年8月、カナダ師団を中心とする約五千人の兵士が、ノルマンディー海岸に上陸して多数の死者を出したという。ヒトラーはイギリスに潜入させたスパイの情報によって待ち構えていたのである。だがそれも、チャーチルが一枚上手だったようだ。既にドイツ側のスパイを二重スパイとして獲得していたというのである。オーバーロード作戦への布石が、二年も前から...
チャーチルは、アメリカを参戦に仕向けるためにも女性スパイを放っている。イギリスは、開戦当初から人員不足を補うために、情報機関で女性を大量に採用している。そして、水面下の情報戦においては、名もない人々が最大の働きをしてきたということであろう。第二次大戦は、ブレッチリー・パークとチャーチルの策略家ぶりの勝利!というのは、ちと言い過ぎであろうか...

3. 赤いオーケストラ
「赤いオーケストラ(ローテ・カペレ)」と呼ばれるソ連がヨーロッパに展開したスパイ網がある。当時ソ連は、無線送信員をピアニスト、通信機をジュークボックスと呼んでいたという。
ちなみに、ドイツ内部の反体制分子は「黒いオーケストラ」と呼ばれる。いずれも、ゲシュタポが名付け親か。
ヒトラーの側近の情報が筒抜けってか。マルティン・ボルマンあたりの情報が...
となると、バルバロッサ作戦は、本当に奇襲だったのだろうか?ドイツ軍の電撃作戦に為す術がなかったとも、スターリンが独ソ不可侵条約を信じていたとも言われる。
しかし、実際は少し違うようだ。各地に展開されるソ連諜報網は、ドイツ侵攻の可能性をモスクワに送信していたという。予測していても、為す術がないことに変わりはないか。そもそもスターリンが、インテリジェンスに信頼を置いていなかったようである。ドイツがよもや二面作戦を遂行することはないという根拠のない自信を深め、ヒトラーはイギリスを破ってからソ連に向かうと信じていたとか。チャーチルからの警告はソ連を巻き込むための挑発であると。要するに、希望的観測ってやつだ。イギリスの警告に対しては、ミュンヘン会談に招かれなかったことを根に持っていたようである。
どんなに優秀なインテリジェンスを備えても、活用できなければ無に等しい。政策決定者には選択権がある。活用するか、無視するか。そして、インテリジェンス機関は親分の顔色をうかがいながら発言するようになる。これはもう人間の根源的な問題である。独裁者に限らず、イエスマンに囲まれると心地よいものである。

4. ヴェノナ文書
ヴェノナとは、第二次大戦末期から冷戦時代にかけて、米国の NSA と英国の GCHQ が合同で行ったソ連の KGB や GRU に対する通信解読工作で、その内容は、1995年に公開された。
この文書は、日本が対米戦争を決意させた「ハル・ノート」に、ソ連が一枚噛んでいることを明らかにしたという。原案作成に関与した財務省次官ハリー・デクスター・ホワイトという人物は、ソ連のスパイだったとか。ソ連がドイツと日本の挟み撃ちに合うのを避けたかったことは想像に易い。アメリカの対日圧力、日本と中国国民党の軍事衝突、南進政策、いずれもソ連から遠ざける意味では理に適っている。秘密工作を仕掛けなくても、その流れは同じだったかもしれないが、ソ連による対日秘密工作説を排除することはできない。
ヤルタ会談にも、ソ連のスパイが深く潜入していたことを明らかにしたという。ルーズベルト大統領にともなって会談に参加した政府高官がソ連のスパイであったと。その男は、アルジャー・ヒス。サンフランシスコ会議事務総長や国連総会アメリカ首席顧問などを歴任し、ルーズベルトの片腕として活躍した人物である。彼は収監されるものの、事実無根だとして回想録を書き、当時はアメリカの世論を味方につけたという。しかし、彼もまた...
このようにヴェノナ文書は、ルーズベルト政権の相当数の高級官僚がソ連側に籠絡されていたことを明らかにしている。
さらに、アメリカの核開発関連にもソ連のスパイが潜り込んでいたことを明らかにしたという。アメリカやカナダにおけるソ連スパイ団の総帥は、伝説的スパイ、ルドルフ・イヴァノヴィチ・アベル大佐。
ちなみに、マンハッタン計画にはニールス・ボーアやエンリコ・フェルミといった大科学者が名を連ねるが、あの女優グレタ・ガルボが、ボーア博士をナチス支配下のデンマークから逃がすエピソードも紹介される。ハリウッドの大女優が一役買っていたとは...
また、ローゼンバーグ事件は、「電気椅子に消えた夫婦のスパイ事件」として知られる。ローゼンバーグ夫妻は、物的証拠がないとして無実を訴えた。マスコミも冤罪事件として報じ、世間の同情をさそい、死刑中止を求める嘆願の声が集まった。それでも死刑は執行された。当時、アメリカではマッカーシー旋風が巻き起こり、赤狩りの犠牲になったとまで言われた。獄中から幼い息子に宛てた「愛は死をこえて - ローゼンバーグの手紙」という書は、前々から読んでみたいと思っている。しかし、ヴェノナ文書は、夫ジュリアスがソ連のスパイだったことを明らかにしたという。妻エセルの方は、どこまで関与していたか、死刑に値するのか、など疑わしい点もあるようだけど...
そして、ジョルジュ・コワリという男が、マンハッタン計画の秘密情報を盗み出し、ソ連に原爆をもたらした最大の立役者だという。ロシア大統領プーチンは、「彼のお陰でわが国の核開発期間は劇的に短縮された」と貢献を称えたとか。
ヴェノナ文書は、世界屈指の米国防諜機関をもってしても、摘発できないことが多くあることを暴露している。そして今後も、このような機密文書が公開され、過去の真相が暴かれていくのであろう。いつの時代も、情報に踊らされる一般人... という構図は同じか。

5. 起きなくてもよかった戦争とオオカミ少年症候群
フォークランド戦争は、後に「起きなくてもよかった戦争」と呼ばれたという。それは、政府が情勢判断ミスで抑止対応をとらなかったことにより、無駄な損害を出したという批判である。アルゼンチンの英国大使館は、再三にわたって警告を発していたという。
では、なぜイギリスは奇襲を予測できなかったのか?ここでは、二つの要因を挙げている。
一つは、アルゼンチン政権が一枚岩ではないことを見落とし、政治的意図を見誤ったというもの。英国外務省はアルゼンチン外務省の意図を正しく見積もってはいたが、見積もるべき対象のガルチェリ大統領らの意図を読んでいなかったという。
二つは、オオカミ少年症候群である。英国大使が、いつも警告情報を発し続けたというもの。これは、兆候と警告という問題だと指摘している。兆候を見落として警告を怠れば、批判に晒される。だから、警告する側はなんでもかんでも警告を発するようになる。いわば、責任逃れ的な官僚体質だ。意志決定者が、またかよ!ってなるのも道理である。
ちなみに、批判の構図にも見て取れる。評論家がいつも批判ばかりしていると、老害と見なされる。姑チェックの類いだ。それで、有識者や道徳者たちが、いつも憤慨しているのかは知らん...

6. 自己防衛のために...
「ケンブリッジ・ファイブ」と呼ばれるソ連の放った五人組もなかなか巧妙だが、これは古典的な方法論である。有名大学に入学させて、エリートを扇動するといったやり方である。
ちなみに、この五人組はホモセクシャルだったとか。当時、イギリスでは同性愛は罪とされ、アラン・チューリングも告発された。タブーの共有がより強い絆をつくるらしい。
尚、イギリスでは、スパイは紳士の職業とされ、ケンブリッジやオックスフォードなどの一流大学卒に占められるそうな。工作員にとって正義に身を包んだエリートほど挑発しやすい、というのはありそうな話だ。政治家に限らず有識者や知識人たちもターゲットとなり、彼らに吹聴させれば効果は絶大である。
こうした秘密工作が日常茶飯事であることも確かであろう。主要都市の地方議会に二世議員や三世議員を送り込むといったやり方も露骨にある。ヒューミント(人的工作)では、影響力のある人物なら誰でも利用し、小説家やミュージシャンなどもターゲットとなる。無論、人間だけでなく携帯端末や商品などもターゲットになりうるし、AI 時代ともなると、シギントやイミントなどとの境界も曖昧になっていく。
だからといって、こうした秘密工作が効果があるとは限らないし、むしろ逆効果となる場合もある。人間ってやつは、思考を押し付けられ、それを強く感じると、本能的に反発するところがある。混沌とした現代社会では、政治家や策略家の思惑はしばしば外れる。国内の経済問題に向けられる国民の不満を対外政策によって緩和しようとするのも政治家の常套手段だが、そんなことは大衆の多くが気づいているだろう。
ところで、アジアの歌姫テレサ・テンにも、スパイ説が囁かれた。だが本書は、そうした議論は無意味だと指摘している。スパイ活動は、誰でも協力者として利用するのが常道。本人は協力者となっていることにも気づかない。そもそも人間の意志ってやつは、その正体を掴むのが難しい。本人でさえ。扇動者にとって、思考しない者が思考しているつもりで同意している状態ほど都合のよいものはない。おいら自身も、誰かに扇動されていない!とは言い切れないし、無意識に片棒を担いでいるかもしれない。それがどんな棒かも分からず。そして、インテリジェンスは、国家防衛にとどまらず、自己防衛においても重要となろう...

7. オシントと地道な活動
諜報機関が使用する情報の 90% は、公開情報(オシント)から得られるという。少々意外だが、情報活動の中心は一般情報の分析にあるようだ。CIA、SIS、KGB などの活動を眺めていると派手な秘密工作に目がいくが、それも分析部門の地道な活動に支えられている。新聞雑誌の論評や政治指導者の公式発言などを丹念に積み上げ、過去との比較から何らかの変化や兆候を見出し、政策決定者のニーズに照らして解釈をつける。このような地道な情報分析が重要だという。
また、分析は知的でアカデミックなものだけにとどまらない。スパイの浸透合戦、暗号解読、秘密工作など、諜報、防諜、秘密工作のオンパレード。インテリジェンスに関する知識や現実感覚がなければ、偽情報に踊らされ、誤った分析結果を招く。
水面下で継続されるスパイ活動の研究は、すでに表面化した歴史の研究に頼るのが効果的だという。ただし、教訓は十人十色。これを通じて、どんな教訓を得るかは自己に問うしかない。自己顕示欲が強いと客観的な目を失う。自己抑制と客観的な目... これが至難の業!
さらに、休眠スパイもいる。本国から指令がくるまで、潜入先で善良な市民として過ごす。潜入ルートだけ確保して、指令が来ないまま生涯を終えることだってある。こいうタイプのスパイを発見することは至難の業!
「スパイ事件が起こるたびに、判で押したように『とてもスパイに見えなかった』という声が聞かれる。これは、まったくばかげている。"スパイらしいスパイ" などどこにもいない。本物のスパイは、アベル大佐やクローガー夫妻のように、善良な市民として社会秩序を守り、ひっそり生活しているものである。」

8. スパイ天国と裏切りの心理
日本に渡って在日韓国人になりすまし、韓国に合法的に潜入するという手法を確立したとされる北朝鮮の女性スパイが紹介される。自分に似た格好の人物を探し、その人間になりすます。本人はとっくに韓国に帰国しているのに偽装して日本に長期滞在する、といった具合に。韓国でのスパイ同士の接触は危険が大きいため、日本での接触が活用されるらしい。スパイ天国か。
ただ、工作員が逮捕後にあっさりと寝返るケースは、意外と多い。国内で吹聴された敵国の情勢から現実が大幅に乖離していると、騙された感を強く持つだろう。そこで、経済的繁栄ぶりなどを工作員に見せると、組織の締め付けと粛清の恐怖に怯えている自己を見つめ直し、自由で魅力的な社会に憧れて西側に亡命する、といった具合に。
この手のパターンは人間の根源的な問題であり、たいてい隠そうとする側がボロを出す。
「つまり、我が方が魅力ある国家および組織を運営することが、究極的なイデオロギー浸透の防波堤になるのである。」

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