あの高橋留美子の偉大なアニメに、こんなエピソードがある...
パーソナルコントローラとは、取り憑いた人の性格を思いのままに操ることのできる代物。バッジになりすまし、さりげなく胸に張り付き、人格の 90% を支配して深層心理に働きかける。知らず知らずに忍び寄る悪魔のささやき。だが、そんな便利な道具も意地悪な持ち主の性格が受け継がれ、もはや操っているのやら、操られているのやら...
いつの時代でも、為政者にとって最も都合の良いことは、情報をコントロールできること。それは、ゲッペルス文学博士が証明して見せた。扇動者にとって、思考しない者が思考しているつもりで同意している状態ほど都合のよいものはない。
しかしながら、ネット社会では多くの為政者が嘆く。どんなに情報をコントロールしようとも、デマがすぐに拡散してしまうと。民衆も負けじと警戒する。為政者がインターネットを利用し、より簡単に情報操作ができるようになったと。どちらも事実を含んでいるだけに、どちらも被害妄想に取り憑かれる。
「真実が靴をはく間に、嘘は地球を半周する。」... マーク・トウェイン
情報を牛耳るための効果的な方法に、文字情報の独占がある。日本では武士の時代から識字率が高かったとされる。識字率が高いということは、情報も伝わりやすい。伝言板や回覧板の類いには古い歴史があり、政治的にも利用されてきた。鎖国のような政策下では画一的な情報が蔓延し、風通しの悪い社会では情報通ほど厄介となる。
識字率が高いために、目に見えない言論統制に翻弄され、分析力や判断力を麻痺させるばかりか、放棄してしまう。自分で考えて行動するという習慣が根付かないのは、そのせいかは知らんが、識字率の高さを誇ってばかりはいられまい。
思い込みは一見頑固なようだが、実は移ろいやすく、操作されやすい。危機的な状況ともなると社会不安が伝搬し、人を批判するだけの正義中毒症を蔓延させる。ポピュリズムを煽り、あちこちで炎上騒ぎ。正義ってやつは、よほどストレス解消に効くらしい。
もはや、情報を操っているのやら、情報に操られているのやら...
「全員が誤っているときには、全員が正しいことになる。」... ピエール・ド・ラ・ショッセ
口は災いの元... というが、昔から、露出度が高く、目立ちたがり屋ほど胡散臭く見られる。情報インテリジェンスには、目立たぬように行動するという基本的な態度があり、優秀な諜報工作員ほど凡庸を装っているものだ。
しかし、政治屋や報道屋ときたら、見た目が勝負!分かりやすいメッセージを発信し続ける者ほど人気を集める。だから、やってます感を演出しようと躍起だ。企業戦術においても、プレゼンをスマートにやれば、そこに人は群がる。うまくアピールした者の勝ち!それは、情報社会の掟。伝達法や話し方といった類いの HowTo 本は、ますます大盛況ときた。
とはいえ、見知らぬ人を評価するのに、見た目以外で何ができよう。現代社会では、誰もが情報操作の餌食にされることを覚悟せねば... いや、人格までも操作されていることを...
ますます高度化していく情報化社会にあって、健全な懐疑心を保つには、よほどの修行が要ると見える...
「もしもすべての誤りに門戸を閉ざすならば、真実もまた締め出されてしまうことになる。」... ラビンドラナート・タゴール
2021-01-31
人格操作社会... パーソナルコントロール
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