2023-12-31

介護歴七年目!ようやく喜びが感じられる境地に...

介護とは、日々気が狂いそうになる自分との闘いである。いや、もう狂っちまったか...

要介護 4 の婆ヤと要介護 2 の爺ヤと共に、七年目に突入!
パーキンソン病で難病指定を受けた婆ヤに、アルツハイマー型痴呆症の爺ヤに... 当初、怒りを爆発させてトイレットペーパを投げたりもしたが、今では笑い草。ゲンコツで開けた壁の穴はあえて補修せず、今では語り草。
そして、婆ヤが逝った。
これで少しは楽になるかと思いきや、爺ヤがパーキンソン病を患い、要介護 4 に昇格して集約された格好、あまり代わり映えしない。いや、今まで婆ヤが爺ヤを叱って緩衝材になっていたので、それがなくなると辛い!
それでも、七年目にして辿り着きつつある境地がある。いや、地獄を見るのはこれからだ!

婆ヤはもともと穏やかな人だったが、爺ヤは少し怒りっぽい人。老いていくと怒りっぽくなると聞くが、うちの場合、なぜか?どんどん穏やかになり、可愛くなっていく。おいらは、イタズラ好き。息子に可愛いと言われて、どんな気分よ?と言うと照れ笑いがまたいい。もっと喜ばせてやろう!って気分になる。ケアマネジャーさんには、相乗効果でしょう!と励まされる。
そして疑問に思う。介護士さんたちは、なりたくて選んだ仕事だろうか?と...

どんな仕事でも、なりたくてなる、仕方なくなる、成り行きでそうなる... それぞれ事情があろう。おいらの場合、好きで技術屋になった。介護士さんもなりたくてなったとしたら、喜びを感じる部分があるはず。訪問介護士さんや訪問療法士さんたちにも聞くのだが、老人たちの笑顔に救われるという。単純な気持だけど、それが実感できるようになってきたのは、五年を過ぎたあたりであろうか。
例えば、クリスマスにサンタクロースの帽子をかぶって写真を撮ってもらったり、訪問看護師さんたちにいじられる爺ヤの笑顔は微笑ましい。歯が抜けて尚更。
チーフ看護師さんには、お宅は介護施設なみの介護ルームに、プロの介護士以上に介護士さんやってますねぇ!と冗談まじりに励まされる。

福祉施設が乱立しても、まともな介護士や看護師が雇えなければ機能しない。実際、機能していない施設をちらほら見かける。どの業界も優秀な人の負担は増えるばかり。それで、丸投げ家族の苦情に晒されては、ますます成り手がいなくなる。
人口の膨れ上がった社会では、ある程度、自前でやっていかねばなるまい。今、介護力が問われている。

しかしながら、介護をやっているというだけで、頭ごなしに不幸のレッテルを貼る輩がいる。しかも、こうした方がいい!こうすべきだ!などと安直な判断を下し、大きな悩みに直面している人を追い込む。それで助言した気分になってりゃ、世話ない。そういう輩は視界から抹殺!やたらと絆を強いる社会では、孤独に救われることが多い。ヘルパーを呼べばいい!施設に入れればいい!... などとという助言はまったく役に立たないばかりか、腹が立つ。一般論なんぞクソ食らえ!そして、こっちがクソ食らう。
考えてみれば、排泄処理さえ克服できればなんとかなる。おまけに痔で、摘便テクを要する。看護師さんは、なんでもやりますよ!って言ってくれるけど、やはり悪い気が... 結局、人間なんてものは単なる熱機関か。喰って排泄するだけの存在か...

介護と仕事の両立はすこぶる難しい。だが、不可能ではない。しょんべんまみれで御飯を作り、ウンコまみれでキーボードを叩く。このマルチタスクは、なかなか手ごわい。介護マネジメントは、プロジェクトマネジメントの要領に似ている。
我が家は、2階がオフィス、1階が介護ルーム。おいらの場合、個人事業主で周りの理解もあり、かなり恵まれている。介護保険で適用される住宅改修を利用し、玄関や風呂場やトイレに手すりを設置。家を建てる時は介護なんてまったく想定していなかったが、理学療法士さんによると、廊下が広く、バリアフリーで、わりと介護向けの構造になっているらしい。
福祉用具は、車いす、シャワーチェア、トイレとベッドに補助手すり、あちこちに突っ張り棒と、ジャングルジム状態!
あとは、ナースコール、監視カメラ、音声感知、人体検知と、24 時間稼働中!
介護自体は大変だが、介護システムの構築は結構楽しい。おかげで、福祉関係者の見学コースに...

外部環境にも恵まれている。通所介護や病院など同系列の医療法人を利用し、ケアマネージャさんをはじめ、訪問介護士さん、訪問看護師さん、訪問理学療法士さん、栄養士さん、福祉用具屋さん、お医者さん... ついでに食堂や売店のおばさんたちの連携が素晴らしい。さらに、訪問歯医者さんに、訪問美容師さんに...
プロとはいえ、いつも笑顔で彼らの仕事ぶりには頭が下がる。感謝以外に言葉が見つからない。医療現場といえば、たいてい医師が主導する立場にあろうが、逆に、介護士さんや看護師さんたちが率先し、お医者さんは後ろから支えているような位置づけ。
こうした組織構造は、実に民主主義的で、上の命令がなければ動けない大企業や官僚組織とは違う。彼らこそ日本企業の組織の在り方、意識の在り方を問うているような気がする。
延命医療はいらない。一流医療もいらない。いかに穏やかに人生を完結させられるか、これが最大の関心事である。

おまけに、ボケ老人の頭を少しばかり活性化させようと、プロジェクタで大画面動画を上映中。コンセプトは、動画を壁に同化させ、絵画のように鑑賞す!
空間心理として、境界線がしっかりとしたテレビやスクリーンなどで繊細な大画面を眺めていると、鑑賞者を緊張させ、疲れさせてしまうところがある。
老人施設では映画やドラマを上演したりするが、痴呆症患者は内容についていけず、すぐに眠ってしまう。どうせ眠っちまうなら、気持ちよくなる映像を流したらどうだろう!と考え、例えば RelaxationFilm.com を... 実際、海外の風景を流していると、これは近くのどこどこの山だ!どこどこの川だ!などと、ちょっとしたデジャヴのような感覚に見舞われるようである。物理学的な観点からしても、自然風景というものは、地球上のどこでも大した違いはないのかもしれない。
そして、認知症予防学会のお医者さんたちと連携してモニタリング中!
ついでに、介護する側も癒やされる、今日このごろであった...

1 コメント:

さき さんのコメント...

Based blog, keep it up my dawg

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